フリーランス ライター 臺代裕夢

週刊女性/いま、選ばれている MADE IN JAPANモノ語り


いま、選ばれている
MADE IN JAPANモノ語り

2018年1月23日発売の『週刊女性』で、10P特集「いま、選ばれている MADE IN JAPANモノ語り」の執筆を担当しました。
週刊女性でお仕事をするのは初めてでしたが、普段から活動の中心としている「日本のいいモノ」を紹介する企画が通ったため、構成から取材先の選定、実際の取材、執筆まで全体を通して編集者とアレコレ相談しながら進行させていただきました。

この企画において意識したことは、大きく分けて2つです。

1つ目は、タイトル通り「物語性」を大切にすること。
普段お仕事をしている『Begin』のようなモノ好きの読者が前提となっている媒体と違って、週刊誌は社会記事を読みたい人、芸能ネタが気になる人など、趣味嗜好の異なるさまざまな人が手にとります。
そこでスペックや機能ばかりをつらつら説明したところで、「気になる商品のところだけチェックして他は飛ばす」という読み方になってしまう可能性があります。
最初から最後まで読んでもらうためには、「商品そのものに興味がなくても、単純に物語として面白く読める」記事にする必要があると考えました。
さらに欲を言えば、「もともとは興味がなかったけど、商品にまつわる物語を読んだら欲しくなった」と思ってもらえれば最高です。

2つ目は、紹介する商品の特徴と物語をすべて差別化することです。
今回、最初の見開きインタビュー以外は基本的に同じレイアウトにしようと決めていたため、ビジュアル的な変化が少なく、ともすればすぐ退屈になってしまいます。
商品の特徴はもちろん、核となるストーリーを異なるものにすることで、飽きずに最後まで読める内容を目指しました。

以下に、今回紹介した商品(ブランド)と、焦点を当てたストーリーを簡単に紹介します。
日本のいいモノといっても古き良き伝統工芸品ではなく、伝統を重んじつつ新たな挑戦をしている、現代人がシンプルに欲しいと思えるものを集めました。

 

0から6歳の伝統ブランド
「aeru」

日本の伝統技術を生かして、0から6歳の子どもが使える商品を展開するブランド。
青森県の津軽焼、栃木県の益子焼などの技術を用いて、小さい子どもが食べ物や飲み物を上手に口に運べる「こぼしにくい器」「こぼしにくいコップ」などが人気を集めています。
「小さいうちから日本の伝統に触れる機会を創出したい」という代表・矢島里佳さんの想い、「割れた器の“お直し”を通じて、モノを大切にすることの大切さを伝える」というエピソードに焦点を当てました。

工場直結ファッションブランド
「ファクトリエ」

商社や卸売業者、小売店などの中間流通、広告代理店などを通さず、販路をインターネット通販に限定。
これによって、有名なハイブランドと同等以上に高品質な商品を、1/2以下の価格で販売するブランドです。
工場は他ブランドの下請けをするよりもはるかに利益率が高く、自分たちの技術や最高の素材を惜しみなく使った商品を作ることができます。
日本の繊維産業を元気にして、グッチやエルメスのように世界で戦えるブランドを育てたい。
そんな、新たな「仕組み」に注目しています。

左官の技術で主婦が作り出す
「Soil」の珪藻土プロダクト

吸水性、保湿性に優れ、時間が経つと吸い込んだ水分や湿気を自然に放出することから“呼吸する素材”といわれる珪藻土。
その特徴に着目し、珪藻土のバスマットやコースターなどを次々生み出しているのが「Soil」です。
もともとは左官業を営む会社でしたが、そこで職人さんがつちかった「こて使い」の技術を主婦の女性たちに教えることで、本業の人員を削ることなく商品の開発・生産に取り組むことができています。
いままでとは違う新たな試みをしたい代表と昔気質な職人との衝突、その結果生まれた信頼や成功を取り上げました。


漆をもっとカジュアルに
「土直漆器」

越前漆器は古くから知られた業務用漆器、いわゆる蓋つきの高級なお椀の産地です。
しかし、時代とともにその需要がどんどん減ってきました。
そこで、漆をもっとカジュアルに、普段から持ち歩いて使って欲しいという思いで、タンブラーやiPhoneケースを製作しているのが土直漆器です。
初代の父から二代目の息子へのバトンタッチに秘められた想い、また、若い人のアイディアを積極的に採用して変わり続けようとする理由についてお話を聞きました。


下請け工場から世界一の鍋を
「バーミキュラ」

もともとは船舶などの精密部品を製造する鋳造所としてスタートし、その後、繊維機械メーカーとして発展を遂げるも、産業そのものの衰退とともに業績が低迷。
幼いころに職人とキャッチボールをして遊んでもらい、「うちの機会は世界一だ」と胸を張って笑う姿を見て育った兄弟は、「もう一度あのころの活気を取り戻したい」と、工場の技術を生かして世界一の鍋づくりをスタートします。
まさに池井戸 潤さんの小説さながらなサクセスストーリーを追いました。


缶詰の常識を変える
「サヴァ缶」

東日本大震災から立ち直るためには、チャリティーの一環ではなく、「東北であるなしに関わらず純粋に求められる商品」が必要になる。
そんな想いから開発がスタートしたのがサヴァ缶です。
従来の日本の缶詰と比べたらかなり高級ですが、ひとり暮らしの女性が遊びに来た彼氏に見られても、ママが旦那さんや子どもにそのまま出しても恥ずかしくないデザインと、圧倒的な美味しさ。
3社合同となって突き進んだチャレンジの裏側に迫りました。


伝統とは変わり続けること
「栗久」

「伝統工芸品」という言葉から連想されるのは、頑固一徹な職人が昔ながらの技術で黙々と作り続ける、浮世離れした作品のようなモノを想像するかもしれません。
しかし現代の名工としても認定されている曲げわっぱ職人、栗久の栗盛俊二さんは、ベンチャー企業顔負けのバイタリティーと発想力で新しいモノを生み出し続けるアイディアマンです。
核となるのは、「その時代その時代のお母さんが欲しいと思えるモノを作り続けたからこそ生き残ってきた」という信念。
いまの時代がなにを求めているのか、どんなモノが使いやすいのか。
常に前を向いて進み続ける栗盛さんが語る言葉の数々は、今回の特集を締めくくるにふさわしいものでした。