フリーランス ライター 臺代裕夢

過去の代表的な事例紹介(キヤノン/Amazing Village)


Discover Japan×東京カメラ部 With Canon EOS 5D Mark Ⅳ

Amazing Village 写真で残すニッポン

Discover Japan編集部からご依頼をいただき、Discover Japan、東京カメラ部、Canon EOS 5D Mark Ⅳの合同プロジェクト『Amazing Village 写真で残すニッポン』の執筆を担当しました。
これは東京カメラ部 10選として知られる写真家の方々が、キヤノンのEOS 5D Mark Ⅳを使って、日本の美しい村を切り取るという企画です。
数ヶ月にわたって複数の媒体で展開したので、まずざっくりと全容をまとめます。

■Discover Japan 2016年 12月号 Vol.62
綴じ込み冊子として『写真で残すニッポンの美景 Amazing Village』を製作。
東京カメラ部 10選の八木千賀子さんが秋田県・八幡平、柄木孝志さんが徳島県・祖谷、山下峰冬さんが沖縄県・黒島の美景を撮影しました。
僕は取材日程の調整ができなかった沖縄県・黒島以外のライティング全般を担当しています。

■Discover Japan 2017年 4月号 Vol.66
本誌内の企画として「Amazing Village 写真で残すニッポン」を製作。
「杉の町が雪化粧した日」と題して、東京カメラ部 10選の柄木孝志さんが鳥取県・智頭町を訪ねました。
ライティングを担当しています。

■Discover Japan 2017年 5月号 Vol.67
本誌内の企画として「Amazing Village 写真で残すニッポン」を製作。
「海とともに生きてきた港町」と題して、東京カメラ部 10選の柄木孝志さんが京都府・伊根町を訪ねました。
ライティングを担当しています。

■特設WEBサイト
上記の企画をまとめた特設WEBサイトを製作。
沖縄県・黒島を除くすべてのライティングを担当しています。

TOPページ
秋田県・八幡平
徳島県・祖谷
鳥取県・智頭
京都府・伊根町

■Amazing Village 写真で残すニッポン
東京カメラ部 10選であり、地域活性プロデューサーとしても活躍する柄木孝志さんの活動、写真にかける想いを上記の企画とともにまとめて小冊子にしました。
渋谷ヒカリエで開催された「東京カメラ部2017写真展」他で配布。
ライティング全般を担当しています。

 

 

写真の魅力を引き出すための
原稿・コピーライティング

東京カメラ部、キヤノンが関わるこのプロジェクトにおいて、主役はあくまでも写真であり、それを撮影する写真家さんたち。
とくに、一番多くご一緒した柄木孝志さんは「言葉ではなかなか伝わらない町の魅力も、写真なら一瞬で理解してもらえる」という信念のもとに地域活性活動を行なっている方ですので、一歩間違えれば言葉は蛇足になってしまいます。
こういう場合における文章は、主役を邪魔しない範囲で彩りを加え、その世界に変化や深みをもたらす添え物のような役割を担わなければいけません。
例えば、柄木さんの活動をまとめた小冊子では冒頭にこのようなコピーを載せました。

1枚の写真が
地域の魅力を
再発見してくれる

「うちの地域にはなんにもない」
ときどき、そんな話を耳にする。
たいていの場合、その言葉は、
大きなショッピングモールがない、
コンビニがない、映画館がない、
雑誌やテレビに載る観光地がない、
という意味合いを含んでいる。
だけど、ふと見上げた先には、
都会では見られない満天の星空。
頬をなでていく、緑色の風。
道行く子どもたちの、こぼれそうな笑顔。
きっと、生まれたときから近くにありすぎて、
自分たちでは気づけないことがある。
もしもそんな日常の瞬間が、
一枚の美しい写真に生まれ変わったら、
歩き慣れた帰り道が、見慣れた空が、
いつもよりすてきに映るだろうか。
地域活性プロデューサーであり、
写真家でもある柄木孝志さんが、
手にしたEOS 5D Mark Ⅳで、
まだ、誰も知らない
地域の魅力を切り取る。

導入となる部分ですので、「写真家でありながら地域活性プロデューサーとしてこんな事例を手がけてきた柄木さんが、今回はこういう場所として知られるどこそこの新たな魅力を発見する旅に出掛けました」など、小冊子の内容についてもう少し具体的な説明をするという選択肢もありました。
しかしそれは、柄木さんの「写真なら一瞬で伝えられる」という信念の真逆に位置する説明過多な文章。
強烈な臨場感、空気感を放つ写真の魅力を消して読者を現実に引き戻し、ともすれば柄木さんの作品を単なる記録写真のように見せてしまう可能性があります。

「じゃあそもそも文章なんか載せずに写真集にすればいいのではないか?」

と、思う人もいるかもしれませんが、僕の考えは少し違います。
「写真なら一瞬で伝わる」という柄木さんの想いには心から共感しますし、確かに文章は迂遠で足の遅い表現手法です。
しかし、写真を見ただけで、撮影者の意図を、その奥に広がる世界をすべて理解できるという人がどれだけいるでしょうか?
「日本にこんなに素晴らしい景色があるのか」とほとんどの人が感じると思いますが、そこで終わってしまう人も潜在的には多い気がします。
「ここに行ってみたい」、「この場所に立ってみたい」というもう一押しをするために必要なのは、たった1行のキャッチコピーであり、写真にそっと添えられたキャプション。
なぜなら言葉は、鋭い感性や、芸術に対する造詣がなくても、母語が同じであれば基本的に万人が理解できるツールだからです。
写真のインパクトから少し遅れてやってきて、背中をとんと押す。
あるいは、珍しく先行した言葉が、「こういう気持ちで写真を見ればいいんだよ」と道しるべになる。

今回のプロジェクトでは、そんな原稿を意識しました。